大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和28年(あ)1089号 決定 1954年10月19日

本籍

新潟県南魚沼郡塩沢町字樺野沢一三二番地

住居

東京都葛飾区高砂町一一九三番地

鉄筋工

福島政好

昭和四年一〇月二二日生

右窃盗被告事件について昭和二七年一一月一五日東京高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人佐藤義彌の上告趣意は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(「第一点の訴訟法違反の論旨については、刑訴規則四四条は第一審の公判調書の記載要件で、第二審におけるものでないから、証拠決定及び事実の取調も必ずしも調書の記載要件でなく、公判調書にないからといつて朗読された控訴趣意書に包含されている証拠調請求につき決定がなく、取調もなかつたとすることはできない。

右公判調書の趣旨から見て、証拠決定があり、事実の取調があつたことを推認できる。」第二点は事実誤認、第三点は量刑不当の主張に止まる。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例